中学校からの僕2
部活動はそれから休むようになりましたが、小学校の頃に出会った仲の良い友達がいたので学校へは行くようになりました。
それが中学一年生の夏の終わり頃のことです。
普通に学校へ通っているだけでも部活動の先輩たちに冷やかされるかもしれないと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
同級生の野球部の人たちとはクラスが一緒だったこともあり、よく話をしていました。
ある日のこと、「想君、そろそろ冬休みに入るけど、冬休み何かすることあるの?」と友達が聞いてきました。
僕は特に何をするかなんて決めていなかったので「ううん。何も予定はないよ」と言いました。
すると友達は「だったらそろそろ部活に復帰したらどうかな?冬休みに入ったら県内の学校が休みになるから、いろいろな学校と試合をする機会が増えるからみんなで旅行気分になれるんじゃないかな?」と言いました。
しかし、野球部に久しぶりに戻ることはすごい不安がありました。
なぜなら普通に学校へ通っているだけなら先輩たちと顔を合わせる心配はないので、特に冷やかされるなんてこともありませんでしたが、いきなり部活へ戻ったら、また悪口を言われてしまうのではないかと心がいっぱいでした。
しかし、僕はその友達の”旅行”という言葉にワクワクし、野球部へ戻ることにしました。
今思えばそれもその友達の作戦だったのかもしれません。上手いこと僕を復帰の道へ導いてくれたなと今でも感謝しています。
冬休みに入る3日前に僕は野球部に戻ることにしました。
とても心がドキドキしていたのを今でも覚えています。
しかし実際に野球部へ戻ってみると「想!久しぶり!元気になったか!お前が居ないからピッチャー争いが無くて、やる気が起きないぜ!」と言われました。
他にも「この前の試合さー、想がいなかったから負けちゃったよー」なんて言ってくれる先輩もいました。
僕はその言葉に泣きそうになってしまいました。
なぜなら、先輩たちは悪口を言ってくると勝手に人を判断してしまった自分の情けなさ。自分が居なくても誰も困ることは無いだろうはずなのに、いなくて寂しかったとウソでも言ってくれていることに。
それから僕は「今日からまた頑張ろう」と思いました。