僕は、寮での生活に早々とピリオドを打とうとした。
入学式で親に、迎えに来てもらい帰るつもりだった。
親は最後にと思い、家に送ってくれた。
僕は、もうそれっきり寮に戻る気は無かった。
親を騙してまで、家に帰ろうとした。
今思えばすごく最低なことをした心底思う。
いまでも本当に申し訳なく思っている。
しかし、僕の親はさすがに察していた。
このまま戻って大丈夫なのだろうかと。
入学式を無理やり笑顔で終えて、親を安心させて家に帰るつもりだった。
車に乗り、高速道路に差し掛かる時だった。
私の母は急に、「やっぱりダメ、このまま帰ったらまた同じ生活になる気がする」と引き返そうとしたのだ。
もちろん僕は、全力で拒否した。泣きじゃくった、暴れまくった。
しかし、母は無理やり学校へ引き返した。私は絶望した。
またあの寮に戻らなきゃいけないのだと。母のこの決断は、僕を救った。僕を普通の人生の道に戻してくれた。
母の決断はすごく難しく、すごく辛いものだったと思う。
迷いに迷った決断だ。この時の僕の心情は、ふざけんな、帰らせろ、俺が嫌いなのかなど否定的な言葉でしか表せなかった。
しかし、高校生活が安定した時この決断が、僕を救い、僕を変えてくれたと、言葉に表せないほどの感謝がある。
偉大な母親です。
本当に偉大だ。
学校に着き、会議室を借りて2人で泣きながら言い合いをした。
落ち着いた時、先輩が迎えに来てくれた。2人で寮に戻り、色々な世話をしてくれた。
この先輩との出会いも、人生を大きく左右するのであった。
続きはまた明日。