第二話
壮絶な人生の始まり
周りは田や畑で囲まれている、アパートとは違い、やや大きめのマンションの1室にある家族が住んでいた。
春山はその家族の母のお腹の中にいる。
「まぁ、3人目ともあって慣れてきたけど3人の中で1番重たいわぁこの子」
春山の母このりは、既に2人の子供を産んでおり、育児には慣れているが妊娠から出産までの辛さは何人産んでも変わらない様子だ。
月日が流れると、春山俊樹が誕生した。他の2人の兄弟と比べても大きい、4000gを超えていた。見た目からもわかる通りとても大きな赤ん坊が産まれた。
どこか天才の雰囲気を感じさせる反面、極端なことを考えると何も特徴もない子にも見える。
しかし、この赤ん坊がこの先壮絶な人生を歩むことは、誰にも予想ができなかった。
としきは、順調に成長していき保育園まで上がった。
保育園の園児の中ではやんちゃで、放って置いたらなにをするかわからない問題児であった。
その一方変わった好みをしており、例えば仮面ライダーでは同世代の子供たちはクウガや、アギトがすごく流行っていた。しかし、としきは一昔前のブラックRXにずっとハマっていたのだ。親の影響もあるかもしれないが、中々のセンスがあるかもしれない。
周りの子供の流行に遅れている時点で、仲間外れにされたり、話についていけないということがあるのではないか。
しかし、としきの友達は違った。アウトドアな遊びが好きな友達が多く、体を動かすことが好きなのだ。
アニメやゲーム、仮面ライダーなど話題にもならなかった。
「ゲームなんかより、外で遊ぼうぜ!」
「サッカーやりたーい!」
活発な友達が多いせいか、としきも活発な男の子に育っていく。
桜が満開に咲き、季節が変わり目の時としきは小学生になっていた。