第三話
友人関係の難しさ
としきは、小学生になっていた。
やんちゃで活発的な性格は変わらず、友達も最初からたくさんいた。
先頭を切るタイプではないが、そこそこ人気があり、みんなから慕われるところがあった。
としきがいる小学校は保育園からそのまま同じの子供たちがほとんどだった。
友達ができるか不安なことは一切なかった。
としきには保育園からの親友であるけんたの存在が大きかった。
2人はいつも行動を共にし、家も近く毎日のように遊んでいた。
他にも友達はたくさんいたが、いつも2人で行動をしていた。
けんたどこか、お兄ちゃんみたいでいつもとしきを引っ張ってくれていた。
スポーツをするにも、ゲームをするにもとしきはけんたに勝てない。
親友ではあるが、お兄ちゃんみたいな面があることが少し違和感に感じるようになっていた。
「お前弱いなぁ、おれには一生勝てないな!」
としきのことを罵倒するような言葉はいつしか口癖のようになっていた。
としきはいつも
「強いなぁけんた、すごいよほんとに!」
としきの口癖もけんたのことを褒めるか、機嫌を損ねないような言葉だった。
保育園の時とは違う、やんちゃで活発的な性格は影を薄めた。
友達や親友との間で、上下関係が発生してまうことはいじめにもつながる。
できれば常に同等で、気を遣わないような関係が1番いい。
しかし、としきとけんたそんな関係とは程遠いどころか、さらに悪化していくことになる。
いつしかとしきは、共に行動するあいてをかえていた。