第七話
友達関係が終わる
プロレスごっこをしててずっと受け身だったなんてことを言ったら大事になってしまうととしきは考えていた。
「じゃれあってたら腕が急に痛くなって動かなくなったの」
「ただのじゃれあいで腕が外れるわけないでしょ!正直に言いなさい!としき!」
としきは、けんたを庇いつつもこのりに嘘はつけないと心の中では思っていた。
そしてとしきは、とうとう打ち明けた。
「実はけんたにプロレスごっこに誘われたの。本当にただの遊びだと思って受け入れたんだけど、けんたがどんどん興奮していって。」
「そういうことねとしき。もう体は大丈夫なの?ちゃんと安静にしてなさい。ちゃんと話してくれてありがとうね」
「けんたは何も悪くないからね!ただ遊んでただけだから!」
「わかったわよ」
このりの心情は不安だった。いじめなのではないか、しかしけんたとは保育園の時からずっと仲良しなのにいじめな訳はないと。
このりは様子を見ようと決めた。
けんたととしきは学校で再会した。
「としき!大丈夫だった?本当にごめんな」
「大丈夫だよ!もうなんともない!また遊ぼうね」
しかし、としきは決めていた。もうけんたとは距離を置こうと。
「としき!放課後遊ぼうぜ!」
「ごめん!今日用事あるんだよ。ごめんね」
「珍しいな。じゃあまた明日あそぼうな!」
としきは徐々に距離を置いていった。
すると自然とけんたから遊びに誘われることはなくなっていった。
ほとんど2人で遊んでいたということもあり、お互いに暇な時を過ごしていた。
寂しさはあるが、解放されたことの方が大きい。
すると次第に新しい友達と交流を深めることになる。