初めてのたばこ
コンビニへ着くと女の先輩が「そのタバコ1つちょうだい」と店員へ向かって言った。
するとコンビニ店員は「免許証見せてくれますか?」と問いただした。
それもそうだ。僕からすれば”先輩”という建前もあり、とてもお姉さん的存在に見えたが、大人の人からしたら、どうみても未成年感が拭えないのだろう。
女の先輩は「じゃあいいや」と言い、コンビニを出た。
すると女の先輩は「まぁ、これがあるから中で買う必要ないんだけどね笑」と言い、僕に青いカードを見せた。
その青いカードは「taspo(自動販売機でタバコを買うときに年齢確認となるカード)」だった。
僕は驚いて「なんでそれ持ってるんですか?!」と聞くと
「あぁ、これ?お母さんに作ってもらって私が持ってるの」と言っていた。
僕は驚いた。タバコを吸っているのはお母さんも認めているのか・・・と。
すると女の先輩は「篠田君もさ、タバコ吸おうよ。買ってあげるよ」と僕に言ってきた。
僕は深夜のコンビニへ先輩たちといることや、タバコを買っている先輩と一緒にいることなど、全てが強くなった気分で「さらに強くなりたい!」と思ってしまい「じゃあ、お願いします」と言ってしまった。
女の先輩は「おっけー」と言いタバコを僕に買ってくれた。
松田先輩の家へ帰り、早速タバコを開けてみることにした。
「篠田君、吸い方わかるの?」と女の先輩が言った。
僕は女の人ということもあり、少し強がって「吸えますよ」と見栄を張った。
そして初めてのタバコに火をつけた。
「うぇ!ゴホンゴホン!」と僕はむせた。
「あはは!吸ったことないんじゃん笑」と女の先輩は笑っていた。
そして「吸い方教えてあげるね」と言い、僕にタバコの吸い方を教えてくれた。
その日僕は、タバコの吸い方を勉強する為に、一晩で20本タバコを吸った。
次の日の朝。起きてみると、とても頭が痛かったのを覚えている。